前回の記事では、「時間足の種類」と「それぞれの特徴」について学びました。
今回はさらに一歩進んで、時間足をどのように使い分けてトレード戦略を立てるかを解説します。
チャートを見る目を“戦略的”に変えていきましょう。
🕐 時間足を“戦略”として使う
チャートの時間足は「見るため」だけではなく、判断するための設計図でもあります。
上位足・中位足・下位足をそれぞれ「戦略」「戦術」「実行」のレベルで考えると整理しやすいです。
| 区分 | 主な時間足 | 役割 |
|---|---|---|
| 上位足(戦略) | 日足・4時間足 | 全体の流れ・方向を決める |
| 中位足(戦術) | 1時間足・30分足 | 押し目・戻りを探す |
| 下位足(実行) | 5分足・1分足 | エントリー/決済のタイミングを取る |
上位足が「地図」、下位足が「虫眼鏡」のような関係です。
これらを同時に見て判断するのが、プロが行うマルチタイムフレーム分析(MTF分析)です。
📈 トレード戦略は3つの軸で考える
- ① 上位足で流れを読む: 大きなトレンドの方向(上昇・下降)を確認します。
- ② 中位足でシナリオを立てる: トレンドに沿って押し目・戻りを見つけます。
- ③ 下位足で実行する: ローソク足の反転や移動平均のクロスでエントリー。
この3つが揃って初めて「根拠あるトレード戦略」が完成します。
逆に、どれか1つでも見落とすと“偶然の勝ち負け”に流されてしまいます。
🔍 時間足別の注意点
- 日足・4時間足: トレンド方向を示す。だましが少ないが、反応は遅め。
- 1時間足・30分足: 波のリズムを見る。シナリオ作成の中心。
- 5分足・1分足: ノイズが多い。感情的になりやすく、エントリーの確認にのみ使用。
初心者のうちは、1時間足を「基準足」として使うのがおすすめです。
💡 具体的な実践パターン
実際のトレードでは、以下のように時間足を組み合わせて考えます。
① 上位足(4時間足):上昇トレンドを確認
② 中位足(1時間足):押し目局面を探す
③ 下位足(5分足):反転上昇でエントリー
→ 利確:上位足の直近高値付近まで
このように、上位足と中位足の流れを合わせることで、成功率が大幅に上がります。
⚙️ 時間足の組み合わせテンプレート
| タイプ | 使用時間足 | 特徴 |
|---|---|---|
| 初心者向け | 4時間足・1時間足・5分足 | ゆったりしたペースで判断しやすい |
| 中級者向け | 1時間足・15分足・5分足 | デイトレードに最適 |
| スイング派 | 日足・4時間足・1時間足 | 数日〜数週間の波を狙う |
📘 まとめ|時間足を理解すると戦略が変わる
- 時間足を「戦略・戦術・実行」の3段階で使い分ける
- 上位足で方向を決め、中位足でシナリオを描く
- 下位足で冷静にタイミングを取る
時間足を正しく使うことで、無理なエントリーや感情トレードを防ぐことができます。
焦らず、全体像を見ながらトレードの流れを作っていきましょう。


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